映画「鍵泥棒のメソッド」 あらすじ

ジャンルを問わず一年中、映画漬けの生活を送っている、自称ゆるーい映画オタク⁉の私が

独断と偏見でオススメする、人情・喜劇映画「鍵泥棒のメソッド」のあらすじ です。

 

 

以下は、詳しいあらすじです。 ネタバレが嫌いな方は読まないで下さい ネ。

あらすじ

 

ー 三人の登場人物 ー

引用元:鍵泥棒のメソッド / ©2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会. All Rights Reserved.

 

雑誌編集長の水嶋 香苗は、何事も計画を立ててから行動をする超几帳面な性格。

そんな彼女が、いきなり社員の前で結婚宣言をする。

 

だが、相手はまだ決まっていません!と言う。

 

さらに、周囲に結婚を希望する男性がいたら紹介して欲しいと言い出し、相手には健康で努力家の方を希望と条件をつけるのだった。

そして、同僚の社員たちは協力を引き受ける。

 

そんな香苗の手帳には、1か月後の結婚に向けての予定が、几帳面に書かれていた。

 

場面は変わって深夜、コンドウは車、クライスラー・300の中で、クラシック音楽を聴きながら何かを待っていた。

 

予定の時刻にアラームが鳴り、レインコートにマスク、手袋を身に着け、ちょうど家から出てきた岩城社長をナイフで刺しまくり、手早く車のトランクに放り込む。

 

慣れた様子で、血の付いたコート、手袋などを手早くビニール袋に詰め、その場を後にする。

それは、法外な報酬で仕事を請け負う伝説の殺し屋「コンドウ」の完璧な仕事だった。

 

ただ、その様子をコッソリと見ている男がいた。

 

またまた場面は変わって、売れない貧乏役者の桜井 武史が、ボロアパートの散らかった自分の部屋で、首にひもが巻かれた状態で倒れこんでいた。

彼は自殺をしようとしたが、死にきれなかったようだ。

 

疲れた様子の桜井は、財布の中から少しのお金と銭湯の入浴券を見つけ、外に出かける。

 

その頃、渋滞にはまり苛立つコンドウは、手首に少し血が付いていることに気がつく。

同時に銭湯の煙突が目に入ったので、そのまま銭湯へ車のハンドルを切った。

 

コンドウが、怖い顔で風呂場に足を踏み入れた瞬間、石鹸で足を滑らせ頭を強打し意識を失ってしまう。

 

客たちが心配しコンドウの周りに駆け寄るとき、桜井の足元にコンドウの脱衣所のロッカー鍵が飛んでくる。 

桜井は思わずコンドウの鍵を自分の鍵と取り替えてしまう。

 

救急隊員は、桜井のロッカーの荷物を持ってコンドウを病院へ搬送する一方、コンドウの服をきてコンドウの車に乗り込み、何食わぬ顔でその場を走り去っていく桜井。

 

コンドウの財布には大金が入っており、桜井はその金で、これまで借金をしていた友人達に金を返しにまわる。

そして、金を返し終わると、今度はコンドウが入院している病院へと向かう。

 

寝ているコンドウの横に、彼の服や車のキーをそっと置いて帰ろうとすると、コンドウが目を覚ます。

 

彼は記憶を失い、手荷物から自分は桜井 武史という人間だと思い込んでいた。

驚いた桜井は、荷物を渡せないままその場を急いで去ってしまう。

 

しばらくして、コンドウが退院する日、香苗は同じ病院に入院している父親のお見舞いに訪れていた。 その時偶然、コンドウに道をたずねられた香苗は、車で桜井のボロアパートに送ってあげることにする。

 

車の中で「自分がどこの誰だか分からない、記憶喪失なんです」と打ち明ける。

そんなコンドウが心配になり、彼の部屋まで様子を見にやって来る香苗。

 

同じアパートの住人に聞いてまわるが、誰も自分のことを知らない。

そして、部屋はゴミが散乱しており、途方に暮れるコンドウ。

そんな中から、一冊の台本を香苗が見つけ、今まで役者をしていたと推察をする。

 

物語の冒頭から、三者三様の登場人物3人のキャラクターがよく描かれております。 これからどの様に、盛り上がって行くのか、目が離せない感じです。

 

でも、なぜ香苗は突然、結婚宣言したのだろう?

記憶を失う前と後のコンドウの顔や仕草の対比が印象的です。

ミスマッチで面白かったのが、コンドウのあの顔で桜井の服を着るなんて、思わず顔がほころびました。

 

ー 人生が入れ替わる ー

引用元:鍵泥棒のメソッド / ©2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会. All Rights Reserved.

 

桜井はコンドウの家で、金を勝手に使ったことを後悔し自殺しようと考え、自殺をほのめかす内容を、その家にあったビデオカメラで撮影する。

 

その後、コンドウの部屋を物色していると、偽造と思われる多数の名刺や証明書を見つけ、さらに拳銃までも発見してしまう。

 

拳銃で自殺しようとしていると突然、コンドウの携帯電話が鳴りだす。

恐る恐る桜井が電話に出ると、相手が「コンドウさんですか?」とたずねてくる。

 

先日の仕事の報酬を渡したいとの内容で、戸惑いながらも桜井は自分のアパートの郵便受けに入れるよう指定する。

 

一方のコンドウは役者としての道に進むため、エキストラ役として仕事をはじめる。

最初の仕事は、ヤクザの役でピッタリ役に合っていた。

 

桜井はアパートのポストに金が入っているのかを確認しに行くと、偶然コンドウがエキストラ撮影の仕事から帰ってくる。 コンドウは、自分を心配して桜井が来てくれたのだと思い、喜んで彼を家に招きいれる。

 

すっかり整理整頓され綺麗になった部屋を見て、桜井は驚いてしまう。

そこへ香苗もアパートにやって来て、名前を聞かれた桜井は、とっさに自分のことを「コンドウ」と名乗ってしまった。

 

だが罪悪感から、逃げるように部屋から出て、その際に郵便受けの中を確認するが金はない。

 

そこに、昨日電話をかけてきた暴力団、工藤 純一の手下が現れ、車に乗るよう指示される。

 

暴力団の工藤は、コンドウに岩城社長の殺しを依頼した人物だった。

 

社長を殺して大金を手に入れる予定だったが、金のありかが分からない。

そこで、今度は社長の愛人の井上 綾子から金のありかを聞き出し、そのあと綾子の殺害を依頼する工藤。

 

「殺害後に、金はまとめて渡す」と約束させられる桜井。

仕方なく桜井は、コンドウが何者なのかを探ることからはじめる。

 

一方、コンドウと香苗はレストランで食事を楽しんでいた。

真面目で一生懸命なコンドウに惹(ひ)かれはじめる香苗。

またある日は、2人でお芝居を観に行き、2人の距離はどんどん縮まっていく。

 

コンドウはエキストラとして映画の撮影に参加し、さらに香苗の会社でアルバイトをする事にもなり、充実した日々を過ごしていた。

 

ある日、香苗からプロポーズをされる。

おどろくコンドウだが、真剣な彼女をみて、結婚を前提にお付き合いをすることにした。

 

徐々に幸せを重ねていく、コンドウと香苗。 

一方、段々と危険な方向へと進んでいく桜井。

二つの展開にコントラストがあり、その展開の進行に比例して内容の面白さが増していくのを感じます。

 

コンドウの記憶がこのまま戻らないわけがない。

これから物語は、大きな転換点を迎えそうで、画面に釘づけです。

 

ー 絶体絶命 ー

引用元:鍵泥棒のメソッド / ©2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会. All Rights Reserved.

 

桜井はコンドウの正体を探っていくと、週刊誌の記事やネットから、コンドウは誰も正体を知らないプロの殺し屋だと知る。

 

そして桜井は、綾子がどういう女性か調べるため、彼女が働くスーパーへと行く。

 

日を改めて、桜井はピザ屋を装い綾子の家まで行き、彼女に「あなたの殺しの依頼を受けた」ことを話す。 そして、隠れ場所を用意するから、逃げるよう提案をする。

 

しかし、綾子の家には盗聴器が仕掛けてあり、工藤が会話の内容を全部聴いていたのだ。 そこへ、工藤が現れ「どういうつもりですか?」と問い詰められると、とっさに拳銃を取り出し、威嚇しながらその場から逃げ出す桜井。

 

ある日、香苗の携帯電話が鳴る。

病気で入院中だった、香苗の父親が亡くなったとの知らせだった。

 

葬式の場では、香苗の父親が密かに撮っていたDVDが流れるが、葬儀スタッフの手違いで、葬儀用ではなく結婚式用のDVDが流れてしまう。

父親の言葉、想いを聞いて涙する香苗。

 

香苗が1か月後に結婚する計画を立てていた理由は、父親のためだったのだ。

 

香苗の父親の葬儀に参列したコンドウは、そのあと香苗の家に上がり、彼女は父親との想いでのレコードをかける。

 

クラシック音楽が流れ始めると、コンドウの記憶が全て戻ってしまう。

香苗がコンドウの方に振り向くと、コンドウの姿はなかった。

 

やっとの思いで、桜井はコンドウの家へ逃げ帰ってきたが、そこには記憶の戻ったコンドウがいた。

 

さらに、桜井を尾行してきた工藤が、マンションまでやって来るのを、監視カメラで確認するコンドウ。 

 

コンドウと桜井は、ベランダを使って隠れ部屋である隣の部屋に隠れ、そこでコンドウから桜井は問い詰められ、今までの一連の事情を話し出す。

 

状況を理解したコンドウは、ある作戦を考え出した。

それは、コンドウ自身がコンドウの手下として成りすまし、桜井のことをコンドウだと思っている工藤の目の前で、コンドウが桜井を刺す偽装作戦だ。

 

コンドウによれば、岩城社長と工藤はもともと共に仕事をしていたが、金と愛人の綾子を取られたため、自分に仕事の依頼がきたそうだ。

 

早速、桜井は刺される演技を練習するが、下手すぎてコンドウから呆れられてしまう。

だが、めげずに殺される芝居を熱心に練習しはじめるのだった。

 

だんだん色々な伏線が分かり出すと同時に、物語もいよいよ緊張感が増しドキドキしてきました。

桜井を演じる堺 雅人は、彼だからこそ出来る真骨頂の演技を披露します。

芝居を下手くそなように見せる、上手な演技は、うまいな〜の一言に尽きる。

 

それと、いつもとぼけたような役柄が多い、荒川 良々。

ふだんは優しそうなイメージの俳優さんが怖いヤクザ役をやると、いっそう怖かった。 真の実力を備えた演技巧者たちが揃っています。

 

内田 けんじ監督のキャスティングセンスが光りますね。

 

ー 新しい人生、再び ー

引用元:鍵泥棒のメソッド / ©2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会. All Rights Reserved.

 

2人は工藤との待ち合わせ場所へと向かう。

 

車の中で、桜井はコンドウが殺し屋ではなく、ただの便利屋だと知る。

 

じつは、殺害された岩城社長は生きていて沖縄にいること。

危険な仕事がきたら上手にだまして、依頼人とターゲットの両方から報酬をもらう便利屋だったのだ。 もちろん、拳銃もモデルガンで本物ではなかった。

 

また、コンドウという名は仕事上の偽名で、本当の名前は山崎 信一郎ということも知った。

 

そしていよいよ演技の時がくるが。

だが誰も来ないような場所のはずなのに、どういうわけか香苗が来てしまう。

そこへ工藤が現れ、偽装作戦どころではなくなってしまい、3人は慌てて逃げ出す。

 

桜井だと思っていた人が、山崎と言う名前だということと、便利屋だったことに驚く香苗。

 

山崎は、香苗にも危険が及ぶ可能性を危惧して、一人で工藤に立ち向かうことを決意する。 しかし残念ながら、工藤に運悪く捕まってしまった。

 

そのことを知った桜井と香苗は、山崎を助け出すために作戦を考える。

2人は、綾子の家に行き彼女を殺したように見せる偽装を計画する。

 

一方の山崎にも考えがあった。

「自分はコンドウの手下で、コンドウを殺して、工藤さんの下で働きたい」と申し出て、工藤と約束をかわす。

 

そして、工藤と山崎が綾子の家に入ると、綾子が血まみれで倒れていた。

桜井が工藤の前で大芝居を打つが、見事に見破られてしまう。

 

ああ万事休すの桜井。 金を回収したい工藤は、綾子から金のありかを聞き出すが、綾子は知らないのいってんばり。

 

すると、殺されたふりをしていた綾子の息子役の香苗は、ある事に気がつく。

綾子の家にある家具や調度品は凄く高価な物ばかりだったのだ。 

それを売却すればかなりの金額になると工藤に話す。

 

喜んだ工藤はそれを持ち出し、売ることにする。

そして山崎は工藤に「自分がコンドウを殺します」と持ちかけ、車に桜井、香苗と綾子を乗せて走り出す。

 

綾子の家から、いそいそと家具を持ち出していると、警察がやって来て工藤とその手下たちは逮捕されてしまう。

じつは、山崎が警察に通報していたのだ。

 

全てを知られてしまった山崎は、香苗に別れを告げる。

桜井は、山崎にボロアパートまで送ってもらい、お互い別れの言葉を交わす。

 

桜井のボロアパートを後にした山崎の車の後ろ座席には、ふてくされる綾子が乗っていた。

 

香苗は自分の車で家に帰る途中、山崎のノートを見つけ「水嶋 香苗」という字を見つけると同時に、警報音が鳴りだした。

 

そして、電柱にぶつかった車から、山崎が出てきて2人は熱く抱きしめ合い、お互いの気持ちを確かめ合った。

 

ハッピーエンドで終わり、映画を観る喜びにしばらく浸ってしまいました。

冒頭でも述べましたが、良く考えて作られた内容で、起承転結それぞれが見事な展開で表されています。

 

引用元:鍵泥棒のメソッド / ©2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会. All Rights Reserved.

 

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