ジャンルを問わず一年中、映画漬けの生活を送っている、自称ゆるーい映画オタク⁉の私が
独断と偏見でオススメする、SFアニメ映画「サマーウォーズ」のあらすじ です。
あらすじ
ー起ー
引用元:サマーウォーズ / ©2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS. ALL RIGHTS RESERVED.
この世界は、インターネット上の「OZ」(オズ)という仮想空間で、経済、文化、交流などが管理されている。 そしてそこは、世界一安全と言われるセキュリティによって守られていた。
世界の10億人は、現実世界を快適に過ごすためOZを生活の一部とする、なくてはならない存在になっている。
OZでは、自分のアバター(分身)を使って、買物やゲームだけでなく公共料金の支払い、行政手続きまでも済ませることができるのだ。
ある日、アルバイトで、OZのセキュリティの保守点検をしていたのは、小磯 健二と佐久間 敬はともに、物理部所属の高校2年生。
そこへ、学園のマドンナ的存在で憧れの一年上の先輩、篠原 夏希から「一緒に夏希の実家に行く」というバイトに誘われる。
そして、「先着1名」と言われ健二が選出されると、理由も知らされず、夏希と共に彼女の実家がある長野県上田市に出かけることになった。
電車の中の何気ない会話から、健二が過去に国際数学オリンピックの日本代表になりかけたことを、夏希は知り驚く。
2人が上田市に近づくたびに、夏希の親せきたちと合流し、みんなで曽祖母の待つ陣内家へと向かう。 今回は、曽祖母90歳の誕生日を祝うため、親せき一同こぞって集まるとのこと。
彼女の実家の陣内家は、室町時代から続く武田家家臣として勤めた武家の由緒ある名家で、現在は曽祖母である陣内 栄が当主であった。
陣内家に着いたそこは、時代劇で見るような大きなお屋敷で、健二はその大きさに圧倒される。
まず2人は、屋敷の当主である栄おばあちゃんのもとへ挨拶をしに行く。
そこで夏希は「付き合っている彼氏で、将来は結婚を考えている」と紹介し、焦ってしまう健二であった。
栄おばあちゃんは、健二をじっと見て「夏希を頼みますね」と優しくほほ笑む。
夏希は、栄おばあちゃんが生きているうちに婚約者を連れて行くと約束してしまったため、健二に婚約者役を頼んだのだった。
もう断れない健二は、佐久間に電話で相談するが「うらやましい」と逆に激励されてしまった。
その夜、陣内家では親せき26人が一同につどい、みんなで食卓を囲み、そして風呂では親せきの子供たちにからかわれて、疲労こんぱいの健二であった。
夜中、突然健二の携帯電話に一通の謎のメールが届く。 そのメールには、数字が暗号のように羅列されていた。
数学が得意な健二は、見事にそれを解き、返信して眠りにつく。
翌日、騒がしい子供たちの声で目を覚ました健二は、テレビを見て唖然とする。
世界一安全なセキュリティを誇るOZが、謎の誰かに乗っ取られ、世界で影響がはじまっており、しかもその犯人が健二であるという報道が流れていた。
健二が解いた暗号は、OZを守る2,000桁以上のセキュリティコードだったのだ。
OZを乗っ取ったのは人工知能「ラブマシーン」で、現実社会は交通機関のマヒや誤情報の送受信など、大混乱におちいっていた。
OZの世界では、格闘ゲームのチャンピオンである「キングカズマ」が「ラブマシーン」を倒そうと戦いを挑む。
「キングカズマ」は、陣内家の納屋で1人ゲームに興じている、池沢 佳主馬のアバターであった。 だが「キングカズマ」は負けてしまい、悔しがる佳主馬であった。
とてもSFモノとは思えない物語の出だしに、少々驚きました。
田舎で、大勢で囲む食卓は、どんな感じなのでしょう。
そのような経験がない私には、とても新鮮に映りました。 健二じゃないけど、うらやましいです。
しかし、健二君の素晴らしい才能が原因⁉で、大変な事態に・・・。
ー承ー
引用元:サマーウォーズ / ©2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS. ALL RIGHTS RESERVED.
健二は、ニュースで目線が入った自分の写真を報道され、犯人だと思われ動揺する陣内家。
警察官で夏希を溺愛する、いとこの陣内 翔太に、健二は手錠をかけられパトカーに乗せられてしまう。
警察署に向かう翔太であったが、OZをますます荒らしていくラブマシーンによって、信号機が止まってしまい身動きがとれず、仕方がなく陣内家に戻ってきてしまう。
ラブマシーンによって、人々の生活がどんどん狂っていく。
「本当にあんたがやったのかい?」と栄おばあちゃんが健二にたずねる。
健二は、昨日の夜に突然届いたメールの数式を解いたことを、みんなに話す。
その夜、陣内家に一人の男がやってくる。
彼の名は陣内 侘助といい、入り婿(むこ)だった陣内 徳衛の隠し子で、幼いころに陣内家に引き取られ、栄おばあちゃんの養子となった人物。
彼は陣内家の遺産を盗んだまま10年前から行方知らずになっていたのだ。 栄おばあちゃんの誕生日だということで、アメリカから帰ってきたのだった。
夏希は侘助を見ると嬉しそうに飛びつくが、親せきや、とくに栄おばあちゃんは渋い顔をする。
そして侘助は、ラブマシーンの開発者だと悪びれもせずに言い、親せき一同は絶句してしまう。
ただ彼は、祖母である栄おばあちゃんに褒めてもらいたかっただけなのだ。
だが、この未曽有の大混乱を起こした張本人だと知った栄おばあちゃんは、なぎなたを取り出し、刃を侘助に向ける。
自分は単なる開発者で、ラブマシーンの買い手であるアメリカ国防総省が勝手にOZで実験をしたのだと侘助は主張する。
そして、悲しい顔をして「来なきゃよかった」と言い放ち、家を去っていく。
佐久間からの情報によると、どうやら他にも数式を解いた人が世界中にいるらしいこと、そして健二の答えは、最後の一文字を間違えていたことも分かった。
次の日はさらに事態が悪化する。
ラブマシーンは、奪った4億を超えるアカウントの権限を利用し、小惑星探査機「あらわし」の軌道を変え、世界中にある核施設のどこかに落とそうとしていた。
厳しい顔をしてニュースを見ていた栄おばあちゃんは、部屋の中から手紙や手帳を引っ張り出し、電話をかけはじめる。
「あんたのNPO法人が役にたつんだよ!」
さらに、長年教師を務めた栄おばあちゃんの教え子で、今や警視総監を勤める人物に「あんたならできる、できるよ!」と檄(げき)を飛ばした。
その日の夜、健二を手招きした栄おばあちゃんは、2人で花札をはじめる。
健二の本当の素性を知った栄おばあちゃんは「だいたい分かっていたよ」と笑顔で話し、改めて「夏希のことをよろしくね」とお願いするのだった。
ラブマシーンの暴走により、世の中がとんでもない事態になり、やっとSFぽくなってまいりました。
しかし陣内家の人の層の厚さに驚きます。
が、それ以上に、栄おばあちゃんの人脈には、もっと驚きました。
気がつくと、だいぶ物語に入り込んでいる自分がおりますね。 目が離せないです。
ー転ー
引用元:サマーウォーズ / ©2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS. ALL RIGHTS RESERVED.
明け方、健二は人の声で目を覚ますと、栄おばあちゃんが心臓マッサージを受けていた。 誕生日を迎える前に、あっさりと亡くなってしまう。
栄おばあちゃんは、もともと心臓に疾患があり、そのためOZを経由した機器で監視をし、何かあれば陣内家の三男で医師の陣内 万作が対応していた。
しかし、OZの混乱により機械が作動せず、気づくのが遅かったのだ。
陣内家の大黒柱がいなくなり、親せき一同は悲しみに包まれてしまう。
夏希が涙を流している横で、健二はそっと手を添えていた。
怒りに震える次男で漁師の陣内 万助は「かたき討ちだ!」と叫ぶ。
そして陣内家の男性陣たちは、ラブマシーンを倒すために立ち上がるのだった。
佳主馬のキングカズマを使い、そして健二が作戦を立てる。
陣内家の女性陣は、栄おばあちゃんの葬儀の準備に入り、男たちは屋敷にスーパーコンピューターを持ち込み、電源の代わりに庭の池へイカ釣り漁船を浮かべ、自衛隊に所属している陣内 理一は自衛隊の通信車両を極秘に持ってきた。
あまりの勢いに、栄おばあちゃんの仏飯もぶっ倒れる。
佳主馬の準備もできた。 「しまっていこう!」
作戦はこうだ。
ラブマシーンをゲームに誘い、キングカズマが弱体化させた後、OZ内に作った「城」に閉じ込め、水攻めで破壊する。
作戦を順調に進め、ラブマシーンをあと一歩のところまで追い詰める。
だがそのとき、スーパーコンピューターを冷やすための大量の氷を、警察官の翔太が栄おばあちゃんを冷やすために移動させてしまい、スーパーコンピューターが熱暴走を起こしてしまう。
結果、キングカズマは負けてしまい、ラブマシーンに取り込まれてしまった。
そして、ラブマシーンは何万ものアカウントを取り込み、巨大な化け物に変貌してしまう。 13歳の佳主馬は、泣き出してしまった。
その頃、夏希はこの家を去った侘助に連絡をしていた。 夏希は、落ち着いて栄おばあちゃんの死を彼に伝えた。
OZの不調で機械が作動しなかったため、助けられなかったと。
侘助にとって栄おばあちゃんは、陣内家でたった一人の家族、居場所だった。
かけがえのない存在だった栄おばあちゃんの死を知り、急いで陣内家へ戻る侘助。
そして陣内家では、栄おばあちゃんがいざという時に残した遺言が、読まれていた。
「何も残してやれなかったけれど、いざという時には人を頼りなさい、大切なのは家族がいること。 そして腹を空かせずご飯をいっぱい食べること。 仲良く生きなさい」と書かれていた。
そこへ、クルマごと庭に突っ込んできた侘助も加わり、最後の戦いに挑むため、みんなで食卓を囲み昼飯をかきこむ陣内家。
侘助はひとり、栄おばあちゃんの亡骸と対面する。
凛としていて、優しく大きな包容力がある、栄おばあちゃんの死は残念でした。
一家の大黒柱を失くしてしまうが、これで陣内家+健二の結束力がより強くなりました。
王道の起承転、そして結へと物語はクライマックスへ。
観ているこちらの興奮も最高潮です。
ー結ー
引用元:サマーウォーズ / ©2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS. ALL RIGHTS RESERVED.
陣内家の打ち出した作戦は「奪ったアカウントを掛けた花札勝負」
侘助曰く、ラブマシーンはゲーム好きで、自分の力になるアカウントを欲していると。 そこで夏希のアバターが、ラブマシーンに勝負を挑みアカウントを削っていく作戦だ。 同時に侘助も、ラブマシーンの機能を制限する作業を進めていく。
小惑星探査機「あらわし」も、もうすぐ地球に落下してしまう。 時間の猶予などなかった。
いざ、ラブマシーンとの花札「こいこい」勝負。
夏希は、栄おばあちゃんに鍛えられた栄直伝で勝ち進み、ラブマシーンから少しずつアカウントを削っていく。
だが夏希が、集中力を欠きよそ見をしたことで、形勢が一気に逆転されてしまう。
時間がもうない、絶望する夏希。
そこに「ぼくのアカウントを使ってください」と一体のアバターが現れる。
そして、次々と世界中で花札の勝負を見守っていた人々がつながり、提供してくれたアカウントが膨れ上がるように夏希を支える。
OZの守護神であるジョンとヨーコも協力し、レアアイテムを夏希に与え、彼女のアバターは女神のように光り輝く。
そしてこの勝負に勝利し、アカウントの開放に成功する。
極限まで弱体化したラブマシーンではあったが、最後の力をふり絞り「あらわし」を陣内家の頭上に落ちるように設定しなおしてしまう。 もう時間がない!
「あらわし」の軌道を変えるべく、健二が急いで数式を解く。 それに対し、何度もパスワードを変え抵抗するラブマシーン。
そして、侘助がラブマシーンの防御を解除し、キングカズマが攻撃を加え、ついにラブマシーンを解体することができた。
最後の方は暗算で数式を解いていた健二は、あまりの極限状態で鼻血が止まらない。
健二は、最後の数式を解き「よろしくお願いしまーーーす」と叫び、エンターキーを押す。
「あらわし」の軌道をギリギリで変え、少しズレたおかげで陣内家のすぐそばに落下し直撃を回避した。 門は吹き飛び、みんなは屋敷の中で抱き合いながら爆風に耐え、屋敷はボロボロになってしまったが、命は助かった。
そして、「あらわし」が落下した後には、温泉が噴き出していた。
今日は陣内 栄、90歳の誕生日。 ボロボロになった陣内家のお屋敷では、栄おばあちゃんのお葬式のために、先が見えないほどの線香を待つ人々が並んでいた。
屋敷の中で、親せき一同と健二は、青い朝顔の間に栄おばあちゃんの遺影を置き「お誕生日おめでとう」と声を合わせた。
そして今回、驚異的な能力で陣内家の危機を救った健二に親せきからは「もう2人、結婚したらー」と冷やかされる。 すると夏希は健二のほほにキスをする。
キスをされた健二は、ふたたび鼻血を噴き出し、気を失ってしまう。
朝顔のかたわらで、栄おばあちゃんの遺影もほほ笑んでいた。
みんなとのつながりが、世界を、そして陣内家を救いました。
そして、本作のテーマである、大家族の絆が良く表現されておりました。
・・・結局、人工知能のラブマシーンは、何がしたかったのでしょうかね?
素晴らしい作品を観終えた後は必ず、しばらくは余韻に浸るもんです。
もちろん、この作品もどっぷりと山下 達郎の「僕らの夏の夢」を聴きながら余韻に浸りました。
そして充実感でいっぱいになりました。
引用元:サマーウォーズ / ©2009 SUMMERWARS FILM PARTNERS. ALL RIGHTS RESERVED.
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