ジャンルを問わず一年中、映画漬けの生活を送っている、自称ゆるーい映画オタク⁉の私が
独断と偏見でオススメする、SFホラー映画「MIMIC/ミミック」のあらすじ です。
あらすじ
ー 起 ー
引用元:ミミック / © 2021 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
近未来、ニューヨーク市マンハッタンでは、多くの命が失われていた。
犠牲者はいずれも子供で、助かっても重い後遺症に苦しめられる、その病気は「ストリックラー病」と判明する。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の調査により、感染経路は空気感染ではなくゴキブリを媒介にして感染することが分かった。 ストリックラー病が発生して2年が経過しても、この病気は猛威を振るっている。
発症するとほとんど死に至り、有効な治療方法がないなか、CDCの職員であるピーター・マン博士から恋人である昆虫学者のスーザン・タイラー博士に協力を要請される。 それは、病気の媒介源であるゴキブリだけを殺す、新種の昆虫を人工的に作ってほしいとのことだった。
スーザンは、遺伝子操作で新たな昆虫を作ることに後ろめたさを感じながらも、アフリカ地方にしか生息しないシロアリとカマキリのDNAを配合し人工的に新たな昆虫「ユダの血統」を創造した。
ただ、自然界に放すにあたり、繁殖しないようメスの繁殖能力をなくし、生存期間を約半年となるようにし、一定期間後に死滅するよう細工をほどこした。
放たれた「ユダの血統」は、短期間でゴキブリを一掃し、ストリックラー病の感染は沈静化に向かった。
それから3年後。
「ユダの血統」の存在は、創造したスーザン本人も忘れてしまうほど、町は普段の生活に戻っていた。
そして、スーザンとピーターは結婚し、平穏な生活を過ごしていたが、未だに子宝には恵まれていなかった。
だがそんな中、ニューヨークのとある地下鉄の駅周辺で、ホームレスが次々と行方不明になる事件が発生していた。 さらに、教会の神父までもが行方不明になり、CDCが調査に乗り出すことになる。
スーザンは職業柄、珍しい昆虫を子どもたちから買い取っていた。
ある日、デービスとリッキーの2人の少年が、スーザンの研究室へ昆虫の生体や羽を売りにきたのだ。
そして、その中の一匹の奇妙な昆虫に目が行く。 その昆虫は地下鉄の線路内で見つけ、少年いわく「瀕死の状態だった」そうだ。 さっそく、お菓子の箱の中に入ったその昆虫を取り出すと、それは体長20cmほどで幼虫のようだった。
その昆虫は凶暴だったので、彼女はすぐさま標本用の針で腹を刺し昆虫を固定した。 昆虫を観察すると、自分が3年前に放して、とっくに死滅したと思われる「ユダの血統」に酷似していると彼女は思った。
さっそく昆虫の体液のpH(ペーハー)を調べてみると、該当するのは「ユダの血統」だと判明する。
つまり、「ユダの血統」は生き延びており、どこか人の手が届かないところで密かに進化をとげ繁殖を続け、現在に至っていることだった。
その時、突然部屋の窓が割られ、スーザンが注意を向けている間に、その昆虫は窓から侵入した何者かに盗まれてしまう。
この事実に驚いたスーザンは、夫のピーターと上司のゲイツ博士にこのことを知らせる。
引用元:ミミック / © 2021 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
近未来、子供たちに感染し致死率が非常に高く、治療法がないというストリックラー病が蔓延する世界。
コロナウイルス感染症で、世界が大混乱したあの頃を思い出してしまいます。
感染症は沈静化して平穏を取り戻したのに、神父は何者かに追われるわ、ホームレスの謎の失踪など、何か不穏な事態が起こりそう・・・
そして、あの怪し過ぎる人影は何なんでしょうか?
ー 承 ー
引用元:ミミック / © 2021 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
スーザンとピーターは、この昆虫を売ってくれた少年たちに話を聞くと、昆虫を捕まえたのは地下鉄の一室で、普段は人が出入りする場所ではないそうだ。
早速、その地下鉄の部屋を調査していると、地下に向かって穴が開いているところを発見するが、ニューヨーク市の黒人警官レナードが現れて強く注意を受けてしまった。 レナードが神経質になっているのは、このところ地下鉄構内に住んでいるホームレスの人たちが、こつ然と姿を消す事件が起きているからだった。
そこでピーターは、CDCから正式な調査許可証を発行してもらうことにした。
場面は変わって、少年チューイは祖父のマニーと2人で暮らしている。 年老いたマニーは、地下鉄構内で毎日靴磨きをして生計を立てていた。 マニーといつも一緒にいるチューイは、前を通り過ぎる人の靴を見ただけで、メーカーとサイズを言い当て、足音を2つのスプーンで再現できる才能があった。
そんなチューイは、住んでいる部屋から見える向かいの教会へ、夜ごと出入りする謎の人物を「変な靴の人」と呼び、その靴音をスプーンで真似していた。
そんなある日、チューイがいつも見ている教会の扉が警察によって封鎖されてしまった。 それは、その教会に住んでいた36人のホームレスが一斉に消える事件が発生したからだった。
スーザンは、自分が見た昆虫が幼虫だったことに恐れを感じていた。 それは幼虫であり、幼虫が成長した完成体がきっと存在するからだ。
一方、スーザンに話をした2人の少年デービスとリッキーは、彼女からスケッチを見せられながら「このような卵のう、というものを見たか」と質問されていた。
そこで2人は、それを見つけて持って行けば、もっと高く買い取ってもらえると考え、地下鉄構内の奥へと探しに行く。
地下道の奥へと進んでいくと、壁や地面にネバネバとした粘液が付着しており、さらにその奥にはスケッチに書かれていたような巨大な卵のうを発見する。
だが、卵のうを取ろうとした2人は、何者かに襲われ殺されてしまう。
その日の夜、チューイはいつものように「変な靴の人」が窓の向こうに立っていることに気がつくが、今回は好奇心が勝り、2つのスプーンを持って後をつけることにした。
そしてチューイは、そのまま行方不明となってしまう。 翌朝、祖父のマニーはチューイがいないことで、騒ぎ出してしまう。
調査の許可がおりたピーターは、スーザンと2人で地下鉄を調べに行こうとしたその矢先、同僚のレミーから地下下水溝で異物が見つかったとの連絡が入る。
スーザンは、レミーのところへ立ち寄ってから、ピーターと地下鉄構内で合流することにした。
レミーのバンド仲間のジェレミーは、地下下水溝に流れ込む異物を調べる取得物係で、彼がその異物を発見したのだ。 レミーと合流したスーザン2人に、ジェレミーは「明らかに異物だ」と言って見せたそれは、昆虫のような変死体で、体長は優に1mを超える大きさの哺乳類のように巨大だった。
スーザンは死体の写真を撮りピーターの元へ、レミーはゲイツ博士と共に死骸の解剖をするため、2人はそれぞれ別行動をとることに。
移動中のスーザンは、さっき撮った写真を見ていてある事に気がついた。
昆虫の前肢(ぜんし)の写真を重ね合わせると、ちょうど人間の顔に似た模様になったのだ。
これは擬態(ぎたい):ミミックだと、理解したスーザン。
一方、チューイの祖父マニーは、警察に捜索願を出すも、捜査をしてもらうには時間がかかると言われ、警察はあてにならないと思った。
そういえばチューイが「変な靴の人」の話をよくしていたことを思い出したマニーは、向かいの教会へと探しに行った。
同じころ、ピーター、黒人警官レナード、そして刑事のジョシュと共に地下へと進んでいく。
引用元:ミミック / © 2021 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
怪しすぎる人影の正体が分かってまいりました。
分かってはいたのですが、やっぱり「ユダの血統」でしたね。
しかも、人間に似せる能力があるなんて・・・
それと、まさか子供が殺されるとは思いませんでした。 ふつう、子供は助かるもんなんだけどな。 容赦ないデル・トロ。
さあー、これから役者たちが地下へと乗り込んでいきますよ。 これで「ユダの血統」の全容が拝見できます。 コワいけど。
ー 転 ー
引用元:ミミック / © 2021 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
地下鉄内でホームレスがいなくなる事件と前後して、「ロングコート姿の殺人鬼」の噂話がささやかれていたが、レナードは単なる都市伝説のたぐいだと思っていた、と2人に話した。
そんな話をしながら3人は、トンネル奥へと進むと、周りにベタベタした排泄物(はいせつぶつ)のようなものが付着していることを発見する。
その頃スーザンは、ピーターと合流するため地下鉄のホームに到着すると、レミーから解剖結果の連絡が入る。 あの死骸は、突然変異ではなく「兵隊アリ」のようだと。 しかも兵隊アリは、一匹ではなく群れをなすもの。 さらに臓器まで成形されるほど高度に進化した、昆虫だったのだ。
誰もいない地下鉄ホームに、成虫のユダの血統がスーザンの前方に現れた。 その姿はまさにロングコートを着た紳士風の人物のよう。 電話を切ったスーザンは、危険を察し逃げようとするも、羽を広げた兵隊アリに抵抗むなしく連れ去られてしまう。
自然界には、天敵となる相手に擬態(ミミック)する習性を持つ昆虫がいる。
「ユダの血統」は、天敵である人間に擬態することを習得したのだ。
一方、地下鉄構内に入った3人は、現在は使われず閉鎖された駅の跡地を調査をしていた。 その時、足元にゴキブリのような巨大な幼虫が現れ、レナードが思わず踏みつぶすと、木造の足場が崩れ、ピーターとレナードは下に落ちてしまった。
落ちた2人は運よくケガがなかったのだが、ジョシュひとりでは引きあげられないので、助けを呼びに行くことにする。 途中、卵のうが沢山ある場所に入ってしまうが、上部にある通風孔から脱出しようとしたところで、兵隊アリに襲われ絶命してしまった。
スーザンは、地下のどこかで目を覚ます。 周りには犠牲になった人間たちがいた。
鉄の棒を手に取り、地下を移動する。 そして、マンホールの下にたどり着くが、地上を歩く通行人に気づいてもらえなかったので、大声を出して助けを求めた。
しかし、大声を出したことで、1匹の兵隊アリが近づいてきたので、スーザンは下につながるマンホールに隠れてそれをかわした。
そんなスーザンを助けたのは、孫のチューイを探していたマニーだった。
マニーは、ピーターとレナードをも見つけ、4人が合流したのもつかの間、ユダの血統が群れで襲ってきた。 4人は地下鉄の旧車両に逃げ込むが、レナードは兵隊アリと戦った際、脚を深く切られてしまう。
無事、旧車両に立てこもることはできたが、レナードの血の匂いを嗅ぎつけ、ユダの血統たちがどんどんと集まってきてしまった。
引用元:ミミック / © 2021 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
ついに「ユダの血統」の容姿がはっきりと分かりました。
羽をたたむと、確かに遠目からだと、ロングコートを着た人間に見えます。
こうして人間をだまして、捕食する。 恐ろしい。
相手は固い甲羅(こうら)に守られ、カマキリのようなカマで攻撃してきますが、こちらは生身の柔らかい身体しかありません。 まともにやり合ったら敵いませんね。 しかも、うじゃうじゃと群れをなしているんですよね。 あー恐ろしい。
無事4人は合流できたけど、彼らの運命はいかに・・・
そして、こいつらが地上に出てきたら、大変なことになるのは容易に想像できます。
ー 結 ー
引用元:ミミック / © 2021 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
このままでは、ユダの血統にいずれ殺されてしまう。 だが、スーザンは、ユダの血統から守れる方法を思いつく。
唯一殺すことのできた、兵隊アリの臭腺(しゅうせん)を取り出し、車両の割れた窓ガラスや車両側面、そしてレナードの患部に臭腺をこすりつけ、臭いで奴らをごまかそうと考えた。
効果はてきめんで、ユダの血統たちは去って行っていき、この危機的状況から逃れられた。
そして、この後ここからの脱出方法を考えはじめる4人。
ここは、廃線になった旧地下鉄だが、電気さえ通れば車両ごと移動できるのではないかと、考えたレナード。 そこで、地下鉄に詳しいレナード、昆虫に詳しいスーザンの2名の安全を最優先し、電力の復旧をピーターが、車両のポイント切り替えをマニーが担当することにし、2人は臭腺の臭いつけをして車両の外へと出ていく。
その時スーザンは、あることを心配していた。
もし、自分たちが脱出できた場合、同じルートを通って「ユダの血統」が外に出て行ってしまう可能性があった。
それと、「ユダの血統」が進化したのは、アリの形態。 そして繫殖能力をなくしたメスの「ユダの血統」なのだから繁殖できないはず。 おそらく繁殖可能なオスが偶然1匹誕生してしまったからだろうとスーザンは推測した。
ピーターが、電力の復旧に成功する。 同じころマニーは、孫のチューイを見つけ助けようとするが、チューイの目の前でマニーはユダの血統に殺されてしまった。
ポイント切り替えの合図が遅いので、スーザンが見に行くとそこでチューイを発見する。
車両に残っていたレナードは、車両に電源を入れた際、さらに傷を広げてしまった。 出血がひどいため、自分は長くはもたないと悟ったレナードは、戻ってきたピーターに「自分がユダの血統の囮になる」と言う。
さらにスーザン、そしてチューイが戻ってきた。
ピーターは戻ってくる途中で、エレベーターを発見していたのだ。
レナードが囮となって、ピーター、スーザン、チューイの3人を地上へ逃がそうと車両の外に出て、ユダの血統に襲われてしまう。
ピーターは、スーザンとチューイをエレベーターに乗せ「自分は残って戦う」と言い、ユダの血統の巣を目指す。
ピーターは追われながらも、ユダの血統の卵のうが天井に沢山ある場所にたどり着いた。 ここが巣だと確信したピーターは、近くにあった可燃ガスの配管を破壊し、ライターで火をつけ爆発させようと考えた。
しかし、慌てたピーターはライターを落としてしまう。 仕方がないので、手に持っていた斧で金属を叩き、火花で可燃ガスに引火させようとした。
ピーターがユダの血統の大群に囲まれた時、地下で大爆発が起こった。
それは地上のマンホールからも炎が上がるほどの勢いだった。
こうしてガス爆発の勢いで、ユダの血統の巣は焼き尽くされた。
命からがら地下鉄の線路内まで逃げてきたスーザンとチューイ。
しかし2人の目の前に、ユダの血統のリーダーで繁殖能力のあるオスが現れた。
スーザンは、自分の手を傷つけ、血の匂いでオスの注意を引き付ける。
そこへやってきた地下鉄で、オスを轢(ひ)かせ倒すことに成功する。
そしてスーザンとチューイは、無事助けられた。
しかしゲイツ博士から「地下は全て焼きただれている」と告げられてしまう。
ピーターは死んだと落胆するスーザンだが、よろよろと地下鉄の階段を上ってくる真っ黒なピーターを発見する。 爆発の瞬間、ピーターは偶然にも排水溝に落ちて、爆発の炎を避けることができたのだ。
抱き合うスーザンとピーター、そしてチューイの3人は喜び合うのだった。
引用元:ミミック / © 2021 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
ユダの血統の臭いを体につけて、奴らをだます作戦は、ナイスです。
でも、きっと臭いんだろうな。
レナードとピーターの自己犠牲の精神には感服しました。
そして、レナードやマニーは残念だったけど、彼らのおかげでユダの血統を駆逐することができました。 めでたしめでたし。
ただ、ユダの血統にしてみれば、勝手に自分たちを作り、自分たちは本能のままに種を残そうとしただけなんだけど、、少しかわいそうな気もしますけど。
このあとチューイは、どうなってしまうのか心配。 3人で家族として幸せに暮らしてほしいと願います。
この手の映画って最後、
エンディングで実は卵が残ってたりして、さぁーどうなる?
ってな含みをもたせるパターンがあるけど、本作は気持ち良く終わりましたネ。
引用元:ミミック / © 2021 Paramount Pictures. All Rights Reserved.