ジャンルを問わず一年中、映画漬けの生活を送っている、自称ゆるーい映画オタク⁉の私が
独断と偏見でオススメする、SF映画「インターステラー」のあらすじ です。
あらすじ
ー起ー
引用元:インターステラー / © 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.
地球規模の異常気象によって巨大な砂嵐が日常的に発生する近未来。
地球上の農作物は疫病で枯渇(こかつ)し、大規模な食糧危機がおこり人類は滅亡の危機にひんしていた。
元宇宙飛行士のジョセフ・クーパーは妻を亡くし今は、義理の父ドナルド・クーパー、15歳の息子トム・クーパー、10歳の娘マーフィー・クーパー(通称:マーフ)と一緒に暮らし、トウモロコシ農場を営んでいる。
娘のマーフは、ときどき自分の部屋の本棚から、本が勝手に落ちる現象を幽霊のせいだと信じていた。 そのことを、父クーパーに訴えるが、オカルトの類を信じないクーパーはその話を信じていなかった。
クーパーはある日、子供たちの保護者面談に出かける途中で、空を飛んでいるドローンを見つけ追いかける。
もうアメリカなど各国の空軍がなくなって、10年が経っていた。 軍や国防などは食糧危機には無力だった。
ドローンの部品を再利用しようと考え、クーパーはドローンの通信システムに入り込み、ドローンを操り着陸させる。 そのドローンはインド空軍のものであった。
その後、急いで学校に向かい面談が始まると、担任の先生から息子のトムは農夫になるべきだと提案されてしまう。 今の時代は、そういうご時世なのであった。
ある日、野球観戦をしているとサイレンが鳴り、向こうの空から巨大な砂嵐が近づいてくるのを見て、クルマに逃げ込む。 この時代では、ゴーグルとマスクは必需品だった。
逃げるように帰宅すると、クーパー自身も例の心霊現象を体験する。
クーパーはマーフの部屋で、本が落ちるのを目撃し驚いてしまう。
そして、砂粒が不自然な形になっているのに気がつき、何かのサインだと感じるクーパー。 マーフが「モールス信号じゃないか?」と言うと、クーパーがバイナリ(2進法)のサインだと気がつく。
バイナリのサインから座標を突き止め、クーパーとマーフは地図を頼りにクルマで目的地に向かう。 がそこは、立ち入り禁止区域で、奥には建物が建っていた。
2人は強引に入り込もうとすると、中から出てきた人間に拘束されてしまう。
その建物は、大昔に無くなったはずのNASAの極秘研究施設だった。
そこには、元同僚のジョン・ブランド教授がここの責任者としていたのだ。
クーパーと再会したブランド教授は、この状況の説明を始める。
NASAがこの施設を極秘にしているのは世論のためで、世界的な食糧危機の中、宇宙に予算を割いているとは思われたくないためであった。
また、食糧が枯渇し人類存亡の危機が近い将来くることをNASAは予想し、地球以外の惑星へ人類を移住させる、という「ラザロ計画」を進めていた。
そしてブランド教授は、人類を救うためクーパーにもこの計画に協力して欲しいと頼む。 ブランド教授が極秘の計画を話したのは、クーパーに協力してもらうためであった。
ブランド教授は、さらに詳しい話をはなし始める。
48年前、土星近くにワームホールが発生し、そこから別の銀河に行くことができるようになった。 なぜ、ワームホールができたのかは不明だが、何かが関与しているらしく、その何かをブランド教授は「彼ら」と表現した。
すでに12名の探索者たちが、それぞれ12の惑星へ、そのワームホールを通り抜け移住の可能性を探っており、その中の3名から、バイナリ信号が繰り返し送られてきていると。
ブランド教授は、第二の地球となりえる惑星を探すミッションに参加してほしいとクーパーを説得する。
ただ、このミッションは帰還できたとしても、それがいつになるのか不明だった。
クーパーは悩むが、人類のため、家族のために、宇宙へ出る決意を固める。
娘のマーフにそのことを説明するが、聞き入れられず激しく反対するマーフ。
クーパーはマーフを説得できず、宇宙へ飛び立つ日を迎えてしまう。
クーパーはマーフに自分の腕時計をたくし「必ず戻ってくる」と言い、家族に別れを告げ、宇宙に旅立って行った。
引用元:インターステラー / © 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.
実際、異常気象が日常的に起こる現実。 将来、物語のような出来事が来ないとも限らないリアルさが伝わってきます。
地球の舞台はアメリカですが、そのころの日本はどんな状況なんでしょう、気になります。
いくら家族のため、人類のため、とはいえ片道キップのようなミッションを決意するクーパーの考えには、正直なかなか理解しがたいです。
もともとこの計画には、予定のパイロットがいただろうに・・・
ー承ー
引用元:インターステラー / © 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.
宇宙へ旅立つメンバーは、ブランド教授の娘アメリア・ブランド、物理学者のニコライ・ロミリー、地質学者のドイルら3名の博士とパイロットのクーパー、そして人工知能ロボットTARS。
最後の探索船レインジャー号は、4人と1台を乗せ地球を後にする。
レインジャーは、地球の軌道上で宇宙船エンデュランス号とドッキングし、待機していたTARSの兄弟機CASEと合流する。 そして、土星近くのワームホールまで2年の年月が必要で、クルーはコールドスリープに入った。
信号が来る3カ所の惑星は、ミラー博士の星、エドマンズ博士の星、マン博士の星である。
土星の近くで、目を覚ますクルーたち。
2年が経過しており、クーパーは地球からのビデオメッセージに目を通したが、マーフだけは怒っておりメッセージはなかった。
ワームホールまで3時間のところで、球体の形をしたワームホールを発見する。
エンデュランス号は、ワームホールに突入すると時空がゆがむ体験をするが、無事に別の銀河へとたどり着く。 ミラー博士の星とマン博士の星からは信号が来るが、エドマンズ博士の星からは信号が届いていなかった。
そこでエンデュランス号にもっとも近い、ミラー博士が待つ水の惑星へと向かうことにしたが、大質量なブラックホール(ガルガンチュア)の最も内側を公転していた。
ニコライ博士は、ガルガンチュアの超重力が影響して、時間の流れを遅くしており、この水の惑星での1時間は地球の7年間に相当すると警告した。
家族を地球に残してきたクーパーは躊躇(ちゅうちょ)するが、着陸を決行する。
ドイル博士、アメリア博士、クーパー、CASEは、レインジャー号で水の惑星に降り立つが、この惑星に地表はなく一面が水だった。 アメリアは惑星の表面を捜索するが、ミラー博士を見つけることができず着陸船の残骸だけが見つかる。
アメリアとドイルが、着陸船に残されたブラックボックスを回収しようとすると、巨大で山のような津波が押し寄せてきた。 アメリアはCASEの助けで間一髪レインジャー号に戻るも、ドイルは津波に飲み込まれ死亡してしまった。
レインジャー号もエンジン内部に水が入ってしまい、排水するまで離陸ができなくなってしまう。
なぜ何年もの間、着陸船の残骸から信号が送られてきたのかを問うクーパー。
アメリアは、ミラー博士がこの惑星に到着したのはこの惑星の時間で数時間前、そして死亡したのは数分前だと話す。
再び津波が襲ってくるのを危機一髪で回避し、ニコライ博士が待つエンデュランス号に戻ってきたが、23年もの時間が流れていたことを知らされる。
クーパーには、23年分ものビデオメッセージがたまっていた。
息子のトムはハイスクールを卒業後、ロイスという女性と結婚しジェシーが生まれた。 しかし、そのあとのビデオメッセージで、義父のドナルドは他界しジェシーも亡くなってしまったことを知る。娘のマーフも「私は今、お父さんと同じ年齢だよ」と話していた。
そして、23年の時間はあまりにもながかったため、クルーたちの生存があきらめられていることを知った。
クーパーと同じ年齢に成長したマーフは、ブランド教授とともに重力の研究を行っていた。
重力の方程式を解き明かすことができれば、巨大なスペースコロニーを宇宙に打ち上げ、地球上の人間を宇宙に脱出させられると、マーフは希望を捨てず懸命に努力していた。
しかしブランド教授は老齢のため、衰弱していた。 死を迎える間際、ブランド教授はマーフに重大な事実を告白する。
じつはブランド教授は、何十年も前に重力の方程式を解いていたのだ。
重力を制御する方法はない、不可能という結論を導き出し、その事実を長年にわたって隠し続けていたのだった。
真実を知ったマーフは愕然とする。 それでもマーフは研究を続け、重力の本質を理解するためにはブラックホール中心部の特異点を観察したデーターが必要だと気づく。
しかし、ブラックホールの外側から特異点を観察することは不可能で、それこそブランド教授が重力の制御をする方程式をあきらめた理由だった。
マーフは現実を理解し、ブランド教授のついた嘘、今までの努力が意味のなかったことに絶望感を感じ、泣き出してしまう。
引用元:インターステラー / © 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.
想像を超える無限の宇宙に対し、いろんな意味であらゆることがちっぽけな人間との対比がリアルに残酷です。
実際の真実は分かりませんが、現代の最新物理学から導き出された、物語の中の宇宙に大変興奮しました。
しかし、ブランド教授の嘘は、人類への裏切りですが、死ぬまで隠し通すのも辛かったでしょうね。 最後、真実をマーフに話したのは、彼の贖罪(しょくざい)だったのでしょうか。
ー転ー
引用元:インターステラー / © 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.
一方、燃料が少なくなってきたエンデュランス号では、残るふたつの惑星のどちらを探索するかを残ったクルーで議論していた。
クーパーとニコライは、今も信号を送ってきているマン博士の惑星を推したが、アメリアはすでに信号の途絶えたエドマンズ博士の惑星の方が、よい条件だと強く推してきた。
クーパーは、アメリアとエドマンズが恋人関係だと見抜き、決断に私情を挟んでいると忠告した。
結果、エンデュランス号はマン博士が待つ氷の惑星へと進路をとった。
この惑星は、雲も凍る極寒の世界だった。
クーパー、アメリア、ニコライ、TARS、CASEは、氷の惑星に降り立ち、マン博士が設営したキャンプへと向かう。
だがそこには、マン博士の入ったコールドスリープ装置と壊れた兄弟機KIPPがあった。
冬眠から覚めていたマン博士から、この惑星に生命体の存在と人類との共存が可能だと伝えられた。 この惑星は、寒い昼間が67時間、もっと寒い夜間が67時間も続くが、それでも希望の持てるデーターがあるとマン博士は話す。
そしてもう一つ、マン博士から真実を告げられる。
それはマーフからのビデオメッセージで、ブランド教授の死と、その間際の嘘を告げる内容だった。
動揺するクーパーやアメリアたち。 そしてラザロ計画の本当の目的は、プランBだった。 そのプランBとは、人類の凍結した受精卵を新天地で孵化させ、種の保存をすることだと告げられる。
ブランド教授が研究結果を隠ぺいしたのは、地球の人々に真実を告げることで、ラザロ計画のプランB遂行に支障をきたす恐れを懸念したためだった。
プランAに足りないのは、ブラックホール内側のデーターを入手することだが、それは不可能だった。
しかしニコライは、KIPPの光通信装置を移植したTARSをガルガンチュアに行かせ、内部からデーターを送らせれば可能性があるとクーパーに提案をする。
さっそくニコライは、TARSへの通信装置の移植作業に取りかかった。
一方、マンはクーパーを惑星表面の探索に連れ出すが、不意にマンから襲われ、宇宙服のバイザーが破壊されてしまった。
マンは、この氷の惑星に着陸してすぐに、ここでは人類が生存できないことを悟った。 彼は自分が孤独のうちに死にゆく運命を受け入れられず、この惑星が人類の新天地であるかのようなデーターを捏造して地球に送信していたのだ。
窒息寸前のクーパーは、アメリアとCASEに救出されるが、TARSと作業をしていたニコライは、マンが仕掛けた爆弾の犠牲となってしまった。
マンは、レインジャー号を奪って軌道上のエンデュランス号に向かって、氷の惑星から離脱してしまう。
クーパー、アメリア、CASEは、運よく爆発から逃れたTARSを救出し、マンが乗ってきた着陸船ランダー号で、マンの後を追う。
マンはエンデュランス号とのドッキングに手こずり、手動でドッキングを強行したため気密が不完全となり、レインジャー号とともに宇宙空間に放り出され死亡してしまった。
エンデュランス号もこの事故により、本来の軌道から外れ氷の惑星に落下し始めてしまう。
クーパーとTARSの必死の操縦で、ランダー号をエンデュランス号とドッキングさせ、軌道に押し上げた。 だが、甚大な損害をおったエンデュランス号は、燃料と酸素の多くを失ってしまった。
引用元:インターステラー / © 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.
予定通りにはいかない計画、あげくにマン博士の取った愚かな行動。
極限の状態に陥り、絶望感からエゴをむき出しにする性、人の弱さそのものです。
マン博士のフルネームはまさに、ヒューマンでしたね。
同じく絶望の状況から、あきらめず最善を尽くす、クーパーとアメリア。
2人からは、逆に人間の強さが表されておりました。
人って、複雑で面白いです。
物語の結末への展開が読めません。 マーフをはじめ、地球の人々の運命はいかに。
ー結ー
引用元:インターステラー / © 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.
もう地球への帰還は無理となり、マーフとの約束はかなわなくなってしまったクーパー。
クーパーとアメリアは、ガルガンチュアを使ってスイングバイ(天体重力ターン)を使ってエンデュランス号を、エドマンズ博士のいる惑星に向かう方法を思いつく。
残された選択肢は、エドマンズ博士の惑星でプランBを遂行させ、人類の種を残すことだ。 ただ、今度は50年後の未来に飛ぶことになるが・・・
クーパーはエンデュランス号をガルガンチュアに接近させる。
そのエンデュランス号にアメリアをひとり残し、ランダー号にTARS、自分はレインジャー2号に乗り、エンデュランス号からそれぞれ切り離す。
軽くなったエンデュランス号は、ガルガンチュアの軌道からの脱出に成功する。
彼女ひとりに、このミッションのすべてを託して。
そして、クーパーとTARSはゆっくりガルガンチュアへと落下していった。
クーパーは少しでも、死の間際まで、TARSにブラックホール内部のデーターを取り続けるよう指示を出す。
その後、クーパーとTARSは、ブランド教授が言っていた「彼ら」が創造した4次元超立方体テサラクトの空間に入っていった。
クーパーはその空間が、地球の過去、未来すべての時間とつながっていることに気がつく。
テサラクトの空間から、マーフの部屋の本を落として、その時代、10歳のマーフに気づいてもらおうと苦心する。 クーパーは、地球を飛び立つ前にマーフの部屋で見た怪奇現象は、自分がしたことだと知る。
過去を変えることは出来ないと悟ったクーパーは、未来を変えることは出来ると気がつく。
同時に、地球を救うために選ばれたのは自分ではなく、マーフなのだと気がつく。
TARSに収集させたブラックホール内側からの特異点のデーターをマーフに送る方法を考えた。
クーパーは、マーフに地球を飛び立つ時に渡した腕時計の秒針を使って、モールス信号を表現する方法を思いつく。
そしてクーパーは、データーを送り続けた。
研究に行き詰ったマーフは、昔の家に戻り思い出していた。
幼いころ、この家で起こった怪奇現象は、重力現象で父からのメッセージだったのではと。
そして腕時計の秒針の動きは、モールス信号だと紐解いたマーフは、そこから特異点のデーターを引き出し、ブランド教授が成しえなかった重力の方程式を導き出した。
その瞬間、テサラクトの空間が収縮しはじめ、クーパーは土星に着いた時に入ったワームホールの中に吸い込まれていった。
土星の軌道上にある巨大なスペースコロニーの病室でクーパーは目覚めた。
このスペースコロニーの名前は、「クーパーステーション」。
彼は、宇宙空間に放り出され漂流していたところを、たまたま辺りを捜索していた宇宙船に発見され、酸素の切れる寸前で救助されたのだ。 そして一緒にTARSも救助されていた。 救助された時の酸素残量は2分だったと教えられた。
マーフの功績で、スペースコロニーの建造と打ち上げが成功し、地球の人々は救われたのだった。
コロニーの中には、マーフの功績をたたえるため彼女がかつて地球に住んでいた頃の家が再現されていた。
クーパーは、コロニーの病室で124歳になったマーフと彼女の大勢の子や孫たちとともに再会を果たす。 クーパーはマーフとの約束を果たすことができたのだ。
マーフは「アメリアのところへ行ってあげて」、「親が子供を看取るなんてダメよ。 だから行って、アメリアのところへ」と。
そう言われたクーパーは、エドマンズの惑星へひとり向かったアメリアを捜索するため、修理したTARSとともに、宇宙船に乗ってコロニーを後にした。
エドマンズの星に着いたアメリアは、恋人エドマンズがすでに亡くなっていることを知り、落胆していた。
だが希望なのが、この星は人類の居住が可能な星であったことだ。
たったひとりこの世界で、アメリアはコールドスリープに入る。
クーパーは、ひとり待つアメリアのいる星へと向かうのだった。
引用元:インターステラー / © 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.
感動と充実した時間でした。
内容的には、1回の視聴だと少し難解かなーと、感じます。
だけど、物語にはかなり入り込めましたね。
バックで流れる音楽が、いい意味で悲壮感を盛り上げています。
テサラクトの空間が収縮した後の展開にはビックリしました。
また、クーパーがマーフと約束した「必ず戻ってくる」は、そう来たか!の展開で、想像の上をいっています。
クーパーとマーフの最後の会話は、グッときて眼ばしらが熱くなりました。
引用元:インターステラー / © 2014 Warner Bros. Entertainment Inc. and Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved.