映画「しあわせの隠れ場所」 あらすじ

ジャンルを問わず一年中、映画漬けの生活を送っている、自称ゆるーい映画オタク⁉の私が

独断と偏見でオススメする、ヒューマン・人情映画「しあわせの隠れ場所」のあらすじ です。

 

 

以下は、詳しいあらすじです。 ネタバレが嫌いな方は読まないで下さい ネ。

あらすじ

 

ー 出会い ー

引用元:公式サイト / しあわせの隠れ場所

 

アメリカ合衆国はミシシッピー州メンフィスのスラム街で生まれ育った、17歳の黒人マイケル・オアー青年は、幼いころに母親と引き離され父親の顔も知らず、友人知人の家を転々とするホームレス同然の身であった。

 

彼が、知人のハミルトン家族に生活の面倒をしばらく見てもらっていたある時、その家族の息子がクリスチャン系のウィンゲート校へ入学する際に、なんとマイケルも一緒に入学を認められたのだ。

 

当初は、出生記録や年齢、学校の記録もなし、また著しく学力も低い彼の入学を当初はスクール側が断ったのだが、大きな体に似合わず俊敏に動く身体能力と、ハミルトン家とアメリカンフットボールコーチのバート・コットンらの推薦により、入学が決まったのだった。

 

マイケルは「ビック・マイク」というあだ名をつけられ、スクール生活をスタートさせるが、まったく授業について行けず、人とコミュニケーションを取るのが苦手で、あまり感情を表に出さない性格から、クラスで孤立状態となり浮いた存在だった。

 

そのことで、入学の後押しをしてくれたハミルトン家にも居づらくなり、最後は行く当てもないまま家を出て行ってしまい、スクールで野宿する事になってしまう。

 

リー・アン・テューイは、携帯電話で忙しく仕事の話をしながら、娘のコリンズ・テューイのバレーボールの試合へと駆けつけ、先に観戦していた夫のショーン・テューイと息子のS・J・テューイと合流し、熱い声援を送っていた。

 

テューイ家は4人家族。 裕福な家庭で、愛情にあふれた温かい家族である。

 

娘のコリンズと息子のS・Jは、マイケルと同じスクールに通っていたので、観客席の端にはマイケルの姿もあった。

 

感謝祭の前夜、凍えるような夜の道を薄着で学校方面にとぼとぼと歩くマイケルを、リー・アンは見かける。 彼が、子供たちと同じスクールに通う「ビッグ・マイク」だと気づき、ただ事ではないと感じ、夫に車を止めさせ家に連れて帰ることにした。

 

マイケルの生い立ちを考えると、グレて犯罪に手を染めてもおかしくない境遇なのに、優しい性格のまま青年になったことは驚きです。

 

この奇跡の出会い、そして運命の出会いからマイケルの人生の新たな扉が開かれるとは。 感謝祭、マイケルにとって本当に、生きていることに感謝する日になるなんて、神様に感謝です。

 

ー そして家族になる ー

引用元:公式サイト / しあわせの隠れ場所

 

一晩だけ、温かい寝床を与えるつもりで、マイケルを家に招く。

だが、彼が何かしでかさないか不安だった。 しかも家には年頃の女の子もいる。

 

翌朝になると、寝かせてもらったソファーの上に、きれいに畳まれたシーツ類を置き、黙って家を出ようとするマイケルを「感謝祭は家族と過ごすものよ」とリー・アンは呼び戻す。

 

その感謝祭の夜、テューイ家族は皿に盛られた料理をTV鑑賞しながらソファーで食べている中、マイケルはダイニングできちんと座り大きな体を小さく丸めて静かに食べていた。

 

それを見たリー・アンは、全員で食卓を囲みマイケルも一緒に手をつないでお祈りをしたのだった。

 

そしてマイケルはテューイ家にとどまることになる。

 

リー・アンはマイケルに、ここに居たいかどうかをたずねると、マイケルは他には行きたくないと答えたので、ソファーではなく部屋を用意することにした。

 

初めてだと喜ぶマイクに、リー・アンが「自分の部屋が?」と尋ねると、ベッドで寝ることだと指をさし、リー・アンは胸が詰まる思いがした。 

 

マイケルは過去に受けた職業適性テストで、ほとんどの項目が最低ラインしかない状態だった。 しかしひとつだけ高い数値があった。 それが保護本能で、これがのちにマイケルの才能を大きく開花させることになる。

 

体の大きさにそぐわず物静かで控えめなマイケル。

自分の想像以上の過酷な環境で育った彼に心を痛めるリー・アン。

 

季節はクリスマスの時期になり、テューイ家のクリスマスカードにのせる家族写真には5人で写真を撮った。 

 

一方スクール内で、コリンズはクラスメートから心無いことを言われるが、マイケルのことを家族として堂々とふるまい、S・Jはマイケルのことを兄貴だと自慢をするほど。 もちろん、夫のショーンもマイケルを家族にすることに大賛成である。

 

こうしてテューイ家にマイケルは家族として迎い入れられたのだった。

 

マイケルには、兄弟姉妹が12人もいることが分かり、リー・アンは彼の母親を探しに行く。

 

マイケルの母親は、父親が違う子供を沢山産み、しかもコカイン中毒ではあったが、子供への愛情がない女性ではなかった。 マイケルが里子に出された7歳のときから、いつも逃げ出しては自分のところに戻ってきたと、その母親は語った。

 

リー・アンは、あなたはいつでも彼の母親ですと言い、そして自分の家に引き取る話をはじめる。

 

マイケルの並外れた保護本能は、家族を守ることから来ていたのだ。

 

裕福な白人と恵まれない黒人という格差の現実があります。  

善意に溢れたテューイ家へ心優しいマイケルが家族になるという話、これは実際の話だと思うと、感慨深い気持ちになります。

 

ただ、マイケルの生みのお母さん、生まれてくる子供のことをもう少し考えようか!

 

ー 保護本能 ー

引用元:公式サイト / しあわせの隠れ場所

 

マイケルは、アメリカンフットボールコーチのバートの勧めや恵まれた体格を活かすため、アメリカンフットボール部へ入部する。

 

その入部初日、マイケルの勇姿を見ようとリー・アンとショーンが駆けつける。

 

劣悪な環境で育った人間は暴力的になることがあるが、マイケルはその暴力や衝突を避けているようだった。 相手選手を怪我させないため、タックルをちゅうちょしていた。

 

たまらずコーチのバートは、秋までに上達しなければ退部だと言い放つことに。

 

S・Jは、マイケルがルールを知らないからだと考え、コーチ役となりトレーニングメニューを作りマイケルの指導をはじめるほどに、兄貴マイケルのことをしたっていた。

 

ある日、マイケルの練習を見ていたリー・アンは、チームの練習を止めてまでコートの中に入り、マイケルに助言をするのだった。 「チーム全体を家族と思いなさい。 彼らはあなたの兄弟。 クォーターバックを私だと思って守って」

 

リー・アンからの助言を受けて、マイケルのプレイは飛躍的に良くなったのである。

 

ある試合で、劣勢に立たされたマイケルのチーム。

しかも相手選手から、マイケルは自分のヘルメットを蹴られ暴言を吐かれてしまうが審判は見て見ぬふり。 

 

それを見ていたバートコーチは審判に猛抗議をするが、逆に侮辱行為だとイエローフラッグが出てしまう。 それでもバートコーチは「マイケルは息子も同然だ」と詰め寄る。 そこへ割って入ったマイケルは「コーチは僕が守ります」と話す。

 

この瞬間、マイケルとバートコーチとの間に絆が生まれる。

その後、アイケルは覚醒し、チームは大逆転の勝利をおさめるのだった。

 

S・Jは、マイケルが相手選手を場外に吹き飛ばすシーンをDVDに焼き増しし、「ターミネーター マイケル・オアー」と題し各大学へ送ると、各大学のコーチが練習を見に駆けつけ、多くの大学からオファーが殺到する。

 

しかし、奨学金をもらいながら大学に行くには、学力が圧倒的に足りなかった。

そこでリー・アンは、マイケルに家庭教師をつけることにした。

家庭教師のスー夫人は、マイケルを時には励まし、時には奮い立たせ、マイケルの学力を上げるために必死に頑張ってくれた。

 

昼間は学校の勉強とアメリカンフットボールの練習、夜はスー夫人との勉強と、マイケルの一日は忙しく、毎日がめまぐるしく過ぎて行く。

 

そしてマイケルはついに、ウィンゲート校を無事に卒業することができ、ミシシッピー大学への進学も無事に決めたのだった。

 

テューイ夫婦は自分の子供である、コリンズやS・Jとまったく変わらず全力でマイケルを育てあげたことに脱帽です。 その決断力や実行力は本当に凄い、並大抵な気持ちだけではとても出来ないとだと思います。

セレブなお金持ちの、一時的なほどこしではなかったのです。

 

差別の残る南部でのお話です。 物語では描かれてはいないのですが、一家をとりまくセレブな環境やその周辺の人たちたちからは、結構なバッシングがあったのではないかと想像してしまいます。

 

ー 大学への旅立ち ー

引用元:公式サイト / しあわせの隠れ場所

 

大学への準備をしている最中、全米大学体育協会から調査が入る。

 

マイケルと同じミシシッピー大学出身のテューイ夫妻が母校へ有力な選手を送り込むために、マイケルを家族に迎い入れたのではないかとの疑いをもたれてしまう。

さらに、家庭教師のスー夫人も同大学の出身であった。

 

体育協会にマイケルは口では違うと否定をするが、疑心暗鬼となって家を飛び出し、実母の住むスラム街に行ってしまう。

 

次の日、リー・アンはマイケルを探しに実母のいるスラム街へ向かうと、ちょうどマイケルからコインランドリーで待っていると電話が入る。

 

そこで2人は昨夜のこと、母親のこと、大学のことなど、色々と話し合った。

 

リー・アンはマイケルに「どうして、ここに染まらずにすんだの?」と質問すると、マイケルは幼いころの話をしはじめる。

 

悪いこと、醜いことがあったら目をつぶっていなさい。 

目をあけたら、そこには良い世界があるからと、母に言われた、と。

その母親の精一杯の言葉が、マイケルを守ってきたことを、リー・アンは知った。

 

そしてマイケルは考え、改めてミシシッピー大学への入学を決意する。

 

家族と離れてしまうが、スー夫人も大学の近くへ引っ越し、これからもマイケルの勉強の面倒を見てくれることになった。

 

引っ越しの日、意地っ張りなリー・アンは涙を隠そうと一人先に車へと戻ろうとすると、マイケルは追いかけてきて、つよくハグをするのだった。

 

この映画の最後に、マイケルがHFLの1巡目でボルティモア・レイブンズに指名された、実際の映像で締めくくられます。

とても心にしみる、最高に温かい映画でした。

 

引用元:しあわせの隠れ場所 / © 2009 Alcon Film Fund, LCC

 

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